
「教員を辞めてエンジニアになりたい。でも、未経験の先生でも本当になれるのだろうか」
授業や校務に追われながら、こんなふうに悩んでいませんか。
結論から言うと、教員から未経験でもエンジニアへ転職できます。
ただし、教員には「年度の途中で辞めにくい」「平日に面接へ行けない」といった、ほかの仕事にはない悩みもあるでしょう。
私は教員の経験はありませんが、元公務員として辞めるまでの流れや、辞めた後の変化など共通する部分をお伝えできます。
この記事では、教員から転職した人のデータや活かせる強み、転職の進め方などを、私の体験を交えて紹介します。


- 地方公務員の事務職として9年勤務
- 公務員のキャリアに不安を感じ、プログラミングスクールを受講
- 地方公務員を辞めて、36歳未経験でITエンジニアに転職
- エンジニアとして、リモートワークやフレックス勤務など自由度の高い働き方を獲得
- 転職先ではエンジニアのほか、PMやコンサルタント業務も担当
未経験からエンジニアを目指す人におすすめの転職エージェント
本当になれる?教員からエンジニアに転職した人とデータ


とはいえ、「自分みたいな普通の先生でも本当になれるの?」と思うかもしれません。
ここでは公的なデータと、実際にエンジニアになった元教員の例を紹介します。
「転職のため」に辞める教員は約1.7倍に増加
文部科学省の調査によると、「転職のため」に辞めた公立学校の先生は年々増えています。
公立小学校では、平成27年度間の1,501人から令和6年度間には2,552人になり、約1.7倍です。
公立高校も454人から783人で約1.7倍、公立中学校も1,142人から1,745人に増えました。


グラフのとおり、小学校・中学校・高校のどれも、調査のたびに増え続けています。
ただし、この「転職」データには教育委員会への異動なども含まれ、民間企業へ移った人だけの数ではありません。
それでも、教員以外の道を選ぶ先生は増えていることが分かります。
私の同じ職場にいた、教員からエンジニアになった同僚
私がエンジニアとして勤めた会社にも、教員から未経験でエンジニアになった同僚がいました。私よりも年上で、もとは小学校教員の女性です。
教員の仕事にやりがいはあったそうですが、今後も続けることに不安を感じ、心機一転エンジニアへの転職を決めたとのことでした。
その後、プログラミングスクールで学び、未経験から転職を成功させています。
私自身も36歳での転職でしたが、自分より年上でエンジニアになった人がいたことに、当時は驚きました。
教員から未経験でもエンジニアになれるのだと実感できた、身近な出来事でした。
エンジニアに転職した元教員の事例
ネット上にも、エンジニアに転職した元教員の体験談が公開されています。ここでは2人の例を紹介します。
2人とも、教員を続けるか迷いながら、学ぶ道筋を決めて転職への一歩を踏み出しています。
教員を辞めてエンジニアになると、年収や働き方はどうなる?


「教員からエンジニアになれるとしても、辞めた後の生活はどうなるの?」と不安な人も多いはずです。
ここでは私の体験から、要点だけお伝えします。
- 年収は、公務員時代の約6割になり、4年目に約8割まで戻った
- 1年目は勤務時間以外にも学習時間を取り、資格取得や業務のフォローアップを行った
- 残業や休みの取りやすさは公務員時代とほぼ同じで、在宅勤務はむしろ増えた
1年目は納期に間に合わず、夜遅くまで作業した日もあります。それでも働き方そのものは、公務員時代と大きく変わりませんでした。
年収は一度下がる前提で、生活費の計画を立てておくのが安心です。
なお、教員の給与と私の公務員時代の給与は条件が違うため、割合は目安としてください。
私の転職体験談は「未経験からエンジニアになって分かった5つの現実」にまとめています。
エンジニアに活かせる教員経験の3つの強み


「教員の経験は、エンジニアになったら無駄になるのでは?」と不安に感じる人もいるでしょう。
先生として毎日取り組んできたことの中には、エンジニアの仕事で活きる力がたくさんあります。ここでは3つに絞って紹介します。
授業で鍛えた「教える・説明する力」
エンジニアの仕事は、パソコンに向かうだけではありません。
顧客に仕組みを説明したり、チームに作業の進め方を伝えたりする場面がたくさんあります。
先生として毎日の授業で難しい内容を、生徒に合わせてかみ砕いて伝えてきた経験が、そのまま役立つはずです。
専門用語を使わずに説明できるエンジニアは、現場でも重宝されます。
入社して数年たてば、後輩に教える立場になることも少なくありません。人に教えることに慣れている先生は、頼りにされるはずです。
行事や校務で鍛えた「段取り力」
教員の1日は、授業の合間に校務や保護者への連絡、行事の準備をこなすなど、まさにマルチタスクです。
年間の行事から逆算して準備を進める段取りの力も、自然と身についています。
エンジニアの仕事も、締め切りから逆算して作業を分割し、優先順位をつけて進めるのが基本です。複数の作業を同時に抱えることも珍しくありません。
授業を時間どおりに進め、遅れたら次の時間で取り戻す調整をしてきた先生なら、作業が遅れても落ち着いて対応できるでしょう。
納期に合わせて仕事を段取りよく進める力は、エンジニアの現場でもそのまま活かせます。
保護者対応で鍛えた「聞く・調整する力」
保護者や同僚の先生、地域の人など、立場の違う相手と話し合いながら物事を進めてきた経験も、エンジニアの仕事で活かせるはずです。
エンジニアの仕事では、顧客の「本当はこうしたい」を聞き出し、チームの意見をまとめる場面がよくあります。
今は簡単な作業ならAIがこなせる時代なので、人の話を聞いて調整する力の価値はむしろ上がっています。
教員として磨いてきた「聞く力」と「調整する力」は、エンジニアの現場でも有用です。
エンジニアに向いている教員・向いていない教員の特徴


教員としての強みが分かったところで、自分がエンジニアに向いているか確かめておく必要があります。
以下の特徴に当てはまるものをチェックしてみてください。
エンジニアに向いている教員の特徴
当てはまるものが多いほど、エンジニアに向いている可能性があります。
- パソコンを触ることが好きで、ITに興味がある
- 分からないことを調べるのが、苦にならない
- 教員業務のIT化や、作業の効率化に取り組んだ経験がある
- 一つのことにじっくり取り組むのが好き
これらに2つ以上当てはまれば、エンジニアを目指す価値は十分にあります。
エンジニアに向いていない教員の特徴
次のような人は、エンジニアには向いていない可能性が高いです。
- 子どもと直接関わることが、一番のやりがいだと感じる
- 年下の先輩に教わることに、強い抵抗がある
- パソコンに向かって一人で考える時間が苦手である
特に、教える側に慣れた先生ほど、教わることには少し抵抗があるかもしれません。
これらに当てはまっても、すぐにエンジニアをあきらめる必要はないです。教育の経験を活かせるIT系の道もあります。
エンジニアではない、教育の経験を活かせる道
エンジニア以外にも、教育の経験を活かせるIT系の仕事があります。
- 教育サービスを作るIT企業(EdTech企業)
- プログラミング講師や企業の研修担当
- 学校や自治体、企業の情報システムを支える仕事
「教育に関わり続けたい」気持ちがあるなら、このような道も選択肢に入ります。
「IT業界に向いているか自分では判断できない」人は、ユニゾンキャリアなどのIT系特化の転職エージェントに相談して決めるのも一つの方法です。
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教員からエンジニアになる3つのルート


「エンジニアを目指してみたい。でも何から始めればいい?」という人に向けて、エンジニアになるための3つのルートを紹介します。
自分に合う学び方を選ぶことが、挫折しない一番の近道です。
| 独学 | プログラミングスクール | 研修付きの会社に就職 | |
|---|---|---|---|
| 費用 | 安い | 高い | なし(給料をもらいながら学ぶ) |
| 学習環境 | 自分のペースで進められる(AIに質問できる) | 講師に質問できる、ポートフォリオを作れる | 入社後に同期と切磋琢磨しながら学べる |
| 向いている人 | AIも使って、自分で進められる人 | 独学が不安で、転職までサポートしてほしい人 | 20代〜30代前半で、給料をもらいながら学びたい人 |
独学で学ぶ
本や学習サイトを使えば、費用を抑えながら学べます。
分からないことを自分で調べながら進められる人なら、独学で十分です。今は、ChatGPTなどの生成AIにも質問できます。
エラーの原因を聞いたり、コードの意味を説明してもらったりできるので、「聞ける人がいない」独学の弱点はかなり小さくなりました。
生成AIを使いこなして自分で進められる人は、独学ルートを選べば大丈夫です。
独学で基礎を身につけたら、転職エージェントに相談して応募先を選びましょう。おすすめの転職エージェントは、「転職エージェントに相談し、応募先を選ぶ」の箇所で紹介しています。
プログラミングスクールで学ぶ
「独学だと続けられるか不安」「何をどこまで学べばいいか分からない」という人は、プログラミングスクールの利用も選択肢の一つです。
分からないところを講師に質問でき、転職活動時に見せる作品(ポートフォリオ)も作れます。
費用はかかりますが、転職サポートまで付いているスクールもあるので、学習から転職まで一貫して手伝ってほしい人に向いています。
実際に、私もこのルートを選び、働きながら夜間と休日にスクールで学びました。転職までの道筋が決まっていたので、プログラミング学習も半年間続けられました。
スクール選びは「30代未経験におすすめのプログラミングスクール2選」の記事も参考にしてください。
研修付きの会社に就職して学ぶ
最後は、入社してから研修でプログラミングを学び、現場に出る方法です。給料をもらいながら学べるのが、一番のメリットといえます。
ただし、このルートは20代や30代前半の人に向いています。未経験の人を採用して育てる「ポテンシャル採用」は、年齢が若いほど有利だからです。
一方で、次のようなデメリットもあります。
- 先に教員を辞める必要がある:独学やスクールと違って入社が前提なので、合わなかったときに気軽に引き返せない
- 研修の中身は会社によって差がある:研修の期間や内容、研修後のフォローは会社ごとに違う
たとえば、BREXA SOLVIA![]()
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基礎から始めて、最後はチームでECサイトを作るところまで学べるのが特徴です。研修後は、会社が契約した企業のプロジェクトに配属されます。
教員からエンジニアへの転職の進め方|退職時期から逆算する


結局、いつ何をすればいいのか分からない人向けに、転職までの流れをまとめました。
まず辞める時期を決め、そこから逆算するのがポイントです。
ステップ1:辞める時期を決め、学習を始める
退職の1年〜半年前を目安に、学習を始めます。
スクールや独学で基礎を学び、自分で作った作品を1つ用意しましょう。
学びながら、Webサービスを作るのか、会社のシステムを作るのかなど、どんなエンジニアを目指すかも考えておくと、応募先を選びやすくなります。
ステップ2:転職エージェントに相談し、応募先を選ぶ
退職の半年前ごろには、転職エージェントに相談します。なるべくITや未経験からの転職に強いエージェントを選ぶのが重要です。
元教員の人の体験談では、エージェントに相談しても教育系の仕事や営業ばかり紹介されたケースもあるようです(出典:note)。
エンジニアを目指すと決めているなら、合わないと感じた時点で別のエージェントに切り替えましょう。
会社選びのポイントは「未経験エンジニアの後悔は会社選びで決まる?」で詳しく紹介しています。
教員からエンジニアを目指す人の相談先は、次の2社がおすすめです。2社とも、本人の同意のない応募や大量の応募はしないと案内しています。
- ユニゾンキャリア
IT・Web業界に詳しいアドバイザーが、未経験者を支援。企業の人事や現場のエンジニアに話を聞いたうえで、求人を紹介してくれる。
- キャリアカンパニー


未経験と若手のITエンジニアを専門に支援。面談から入社後まで同じアドバイザーが担当し、転職サポートを使う人は無料のオンラインITスクールも使える。
ステップ3:管理職に退職の意思を伝えて、引き継ぎの準備をする
辞める時期が決まったら、早めに校長や教頭などの管理職に伝えます。
年度末に辞めるなら、次の年度の人事の検討が始まる秋から冬ごろが目安です。
年度の途中で辞める場合は、引き継ぎも見据えて、なるべく早く相談しておきましょう。
担任や校務の引き継ぎは、次の人が困らないように資料にまとめておくと安心です。
教員からエンジニアへの転職でよくある質問


最後に、教員からエンジニアを目指す人からよく聞かれる質問に答えます。
まとめ:教員の経験は、エンジニアへの転職でも武器になる


教員から未経験でも、エンジニアへの転職は十分可能です。
説明する力や段取り力など、教員として培ってきた力は、エンジニアに転職したあとも武器になります。
教員として働くことに不安を感じるなら、辞める時期を決めて、逆算して進めることが重要です。
エンジニアへの転職を目指すなら、まずは学習を始めて、その後にITに強い転職エージェントに相談する流れで進めましょう。

