- 「未経験からエンジニアを目指したいけど、やめとけって本当?」
- 「想像以上にきついなら、今の仕事を辞めるのが怖い」
こんな不安を抱えていませんか。
結論から言うと、2026年の今なら「やめとけ」と答えます。生成AIの広がりで、未経験者が最初に任されてきた仕事が減り始めているからです。
ただし、上流の仕事を目指す戦略を持って準備すれば、挑戦する道は残っています。
私は地方公務員を9年勤めたあと、36歳で未経験からエンジニアに転職し4年ほど働きました。
この記事では、私の実体験をもとに、「エンジニアはやめとけ」といわれる理由や、挑戦するなら持つべき戦略を紹介します。
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- 地方公務員の事務職として9年勤務
- 公務員のキャリアに不安を感じ、プログラミングスクールを受講
- 地方公務員を辞めて、36歳未経験でITエンジニアに転職
- エンジニアとして、リモートワークやフレックス勤務など自由度の高い働き方を獲得
- 転職先ではエンジニアのほか、PMやコンサルタント業務も担当
結論:上流工程を目指す戦略がなければエンジニアはやめとけ

2026年の今、未経験からエンジニアを目指したいと相談されたら、私は「やめとけ」と答えます。
少なくとも、エンジニアになること自体がゴールなら、おすすめしません。
理由は、未経験者が最初に任されてきた下流工程を、生成AIがこなせるようになったからです。
それでもエンジニアに挑戦するなら、上流工程(何を作るかを決める要件定義や設計、顧客との調整)を目指す戦略を持つことが欠かせません。
なぜAIでエンジニアの仕事が減るのか、どんな戦略をとればいいのかを、このあと順番に解説します。
生成AIの進化で未経験エンジニアの席は減り始めている

生成AIの進化により、エンジニア未経験者が最初に任されてきた仕事は、今後減っていくでしょう。
私の現場での実感と、国内外のデータを紹介します。
新人が任されてきた仕事を、AIがこなせるようになった
私が1〜2年目に担当していたテスト業務や単純なコーディングは、今ではAIがこなせるようになっています。
新人に仕事を任せるときも、手順を細かく教えることは減りました。大まかにタスクを渡し、「あとはAIと対話しながら進めて」と伝えています。
私自身も、生成AIにプロジェクトのルールや概要、目的を伝えたうえで、指示どおりの実装とコードのレビューを任せています。
セキュリティのチェックやエラーへの対応も、AIに手伝ってもらうのが当たり前になりました。
アメリカでは、若手の雇用に差が出ている
アメリカでは、AIに任せやすい仕事ほど、若手の働き口が減り始めています。
スタンフォード大学の研究チームが、数百万人分の給与データを使って明らかにしました。
調べたのは、ChatGPTが公開された2022年11月から2026年6月までの、働く人の数の変化です。
22〜25歳の若手について仕事の種類ごとに比べると、次のような差が出ていました。
- AIに任せやすい仕事(ソフトウェア開発など):約11%減った
- AIに任せにくい仕事:約10%増えた
一方で、同じAIに任せやすい仕事でも、35〜49歳の経験者は約10%増えています。影響を受けているのは、主に経験の浅い若手です。
研究チームによると、若手が解雇されたのではなく、新しく採用される人が減ったことが主な原因です。
アメリカではAIに任せやすい仕事ほど、未経験者の入口が狭くなっていると言えます。
出典:Brynjolfsson ほか「Canaries in the Coal Mine? Six Facts about the Recent Employment Effects of Artificial Intelligence」(2026年8月版)
日本でも、求められる人材が変わり始めている
日本では、未経験者の採用はまだ続いています。
レバテックの「IT人材白書2026」によると、約3割の企業が新卒以外の未経験者採用をすでに始め、約4割が検討していました。
ただし、企業が求める人物像は変わり始めています。
生成AIの活用を進める企業への調査では、新卒採用を見直した理由の最多が「生成AIを活用できる人材を重点的に採用したいから」(66.7%)でした。
「生成AIにより業務効率が向上し、必要人員が減少したから」も39.4%にのぼり、人材採用の環境も変化しています。

これからエンジニアを目指すための3つの戦略

それでもエンジニアに挑戦したい方に向けて、おすすめの戦略を紹介します。
ポイントは、AIに任せられる下流の仕事で止まらず、上流の仕事を目指す前提で動くことです。
下流工程の仕事は「通過点」と考える
未経験で入社すると、最初は実装やテストといった下流工程を担当するのが一般的ですが、仕事の基礎を覚えるための通過点と考えてください。
目指すのは、要件定義や設計、顧客との調整といった上流工程です。
AIに指示を出す側に回るには、何を作るべきかを判断できる力が欠かせません。
下流で積んだ経験は、上流工程でも有用です。作る側の大変さが分かっていると、無理のない設計や見積もりを考えやすくなります。
3年後に上流へ上がる道筋を描く
入社する前に、上流へ上がるまでの道筋を描いておきましょう。たとえば、次のような流れです。
- 1年目:実装やテストで、仕事の基礎を覚える
- 2年目:小さなプロジェクトや機能の設計に加わる
- 3年目:顧客との打ち合わせに同席し、要件定義や見積もりに関わる
3年は、未経験から一人前になるまでの1つの目安でもあります。
道筋が決まっていれば、採用面接でも「入社後に何をしたいか」を具体的に話せます。
前職で、顧客や関係者との調整に慣れている方は、上流工程で強みを活かしやすいです。
上流に関われる会社を選ぶ
本戦略を実現できるかは、最初の会社選びで大きく変わります。同じ未経験入社でも、下流の作業だけがずっと続く会社もあるからです。
会社を見るときは、次の点を確かめておきましょう。
- 要件定義や設計から関われる案件があるか
- 入社3〜4年目の先輩が、どんな仕事を任されているか
- 仕事で生成AIを、どのように使っているか
面接で「入社3年後には、どんな仕事を任されている人が多いですか」と聞くと、上流への道があるかが見えてきます。
求人票だけでは分かりにくいので、IT業界に特化した転職エージェントに聞くのも1つの方法です。
未経験エンジニアの会社選びは、「【未経験エンジニアの後悔は会社選びで決まる?】入社前に見るべき5項目」の記事で解説しています。
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エンジニア転職をやめておいた方がいい人・目指してもいい人


ここまで読んで、自分はエンジニア転職を目指してもいいのか迷っている方もいるでしょう。
やめておいた方がいい人と、目指してもいい人の特徴を紹介するので、なんとなく近いほうを選んでみてください。
やめておいた方がいい人
次に当てはまるなら、今すぐの転職は立ち止まったほうが無難です。
- 年収が一時的にでも下がると、生活が回らない
- 入社してからの勉強は、できればしたくない
- 半年くらいで一人前になりたい
未経験から一人前になるまでには、3年ほどかかると考えておくのが現実的です。
年収が下がる期間や勉強の時間を受け入れられないなら、未経験からの転職はやめておいた方がいいでしょう。
目指してもいい人
一方で、次のどれかに近いなら、目指してみる価値はあります。
- 新しいことを学ぶのが、嫌いではない
- 年下から教わることに、それほど抵抗がない
- 今の仕事の経験を、ITで活かしてみたい
- 生成AIに関心があり、仕事や趣味で使ってみたことがある
すべてに当てはまる必要はありません。当てはまる項目が多いほど、入社後のギャップは小さくなるはずです。
ただし、先ほど紹介した「上流を目指す戦略」は念頭に置いたうえで、エンジニアを目指す必要はあります。
目指すなら知っておきたい「やめとけ」と言われる5つの理由


エンジニアを目指すと決めた方も、「やめとけ」と言われる理由は知っておいて損はありません。
前もって分かっていれば、入社後のギャップを小さくできます。ここでは、私が実際に感じたことと合わせて5つ紹介します。
入社後も勉強が続く
エンジニアは、入社してからも勉強が欠かせない仕事です。IT業界は変化が速く、数年前の知識が通用しなくなることもあります。
私も転職して1〜2年は、土日にも勉強の時間をとっていました。業務で使う技術を覚えるだけで、手一杯だったからです。
ただし、このペースがずっと続くわけではありません。基礎が身につくと、仕事の中で自然に覚えられる範囲が広がっていきます。
最初の1〜2年は勉強時間が必要だと、あらかじめ見込んでおくことが必要です。
年収が一度下がる
未経験で転職すると、年収はいったん下がるのが一般的です。
企業は経験とスキルで給料を決めるため、未経験者は低めの金額からのスタートになります。
私の場合、転職直後の年収は公務員時代より約4割下がりました。それでも4年目には、公務員時代の約8割まで戻っています。
大切なのは、年収が下がる期間を家計で乗り切れるかを、転職前に確かめておくことです。
生活費を数か月分貯めておくと、焦らずに仕事を続けられます。
最初の1年がきつい
「想像以上にきつい」と言われるのは、主に最初の1年です。
覚えることが多いうえ、自分がどこでつまずいているのかも分からない時期だからです。
私も1年目は納期に追われて、夜遅くまで作業した日が続いたこともありました。
それでも、2年目には分かることが増えて、自信もついてきます。
1年目は覚えることが多い時期と割り切れば、気持ちが楽になるでしょう。
エンジニアの現場で嫌われない振る舞い方は、「元公務員が明かす1年目の現実」の記事で詳しく解説しています。
配属先しだいでスキルが積み上がらない
同じ未経験入社でも、配属先によって身につくスキルは大きく変わります。
特に注意したいのが、テストの実行やシステムの監視だけが続く現場です。
SESでは、担当する仕事が契約で決まっているため、自分の希望する業務へと広げにくい面があります。
まじめに働いても、設計や開発に関われないまま時間が過ぎると、次の転職で話せる経験が増えません。
入社前に、配属先と担当業務は確認しておきましょう。
未経験OKの求人に、危ない会社が混ざっている
「未経験歓迎」の求人には、要注意な会社も混ざっています。
人手が足りない現場に、経験の少ない人を送り込むことを目的とした会社もあるためです。
私も転職活動中に、経歴を水増しして客先の面談を受けるよう求める会社に出会いました。
求人票に業務内容がほとんど書かれていない、面接で配属先を聞いてもはっきりしないような会社であれば、いったん立ち止まって考えるのが安全です。
未経験エンジニア向けの求人の探し方は、「怪しい未経験エンジニア求人の特徴とハズレ会社の回避法」で紹介しています。
エンジニアになるための後悔しない始め方3ステップ


未経験からエンジニアを目指すなら、次の3ステップで進めると遠回りせず、後悔も減らせます。
いきなり会社を辞めたり、高いスクールに申し込んだりする必要はありません。
無料で試して適性を確かめる
最初は、無料の学習サイトでプログラミングに触れてみましょう。本格的にエンジニアを目指すか決めるのは、その後でも遅くありません。
progateなら、プログラミングの基本講座を無料で試せます。
スライド形式の教材に加え、実際に手を動かしてコードを書くことで、実践的なスキルを身につけられるのが特徴です。
1〜2週間続けてみて嫌にならなければ、次のステップに進みましょう。
IT基礎を固めてポートフォリオを作成する
学習が続けられそうだと分かったら、YouTubeなどの無料動画でITの基礎を学びます。
学習が一人で続かない場合は、有料サイトやプログラミングスクールを使うのも選択肢です。
私も公務員として働きながら、平日の夜間と休日にスクールで6か月学びました。
受講料の一部が戻る、国の教育訓練給付制度の対象講座もあるので、お得に利用することも可能です。
転職活動では、自分で作ったアプリなどの作品(ポートフォリオ)の提出を求められます。
生成AIを使えば短期間で作れますが、面接で工夫した点などを自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
おすすめのプログラミングスクールは、「30代未経験におすすめのプログラミングスクール2選」で紹介しています。
転職エージェントに上流を目指せる求人を紹介してもらう
最後は、転職エージェントを使って会社を選びます。未経験からの転職なら、IT業界に特化したエージェントがおすすめです。
エージェントに登録したら、「入社後3年ほどで設計や要件定義に関わりたい」と、目指すキャリアをはっきり伝えましょう。
そのうえで、上流工程を経験できる求人を選んで紹介してもらいます。
求人票だけでは、研修の中身や実際の配属先、先輩がどんな仕事を任されているかまでは分かりません。
エージェントは企業の内部の情報を持っていることが多いので、気になる点は遠慮なく質問しましょう。
未経験からエンジニアを目指す人におすすめの転職エージェント
未経験エンジニアの「やめとけ」に関するよくある質問


最後に、よくある質問への回答をまとめました。
まとめ:未経験からエンジニアを目指すなら長期的な戦略を持とう


未経験からエンジニアになるのは、決して楽な道ではありません。転職1年目のきつさや、年収が一度下がることも受け入れる必要があります。
生成AIの進化で、言われた作業だけをこなす単純な業務は減り始めています。
これから求められるのは、AIに指示を出す側や、設計・顧客との調整といった上流工程の仕事です。
上流へ上がる道筋を描き、スキルと実績を積んでいけば、未経験からでもチャンスはまだあります。
まずは、上流を目指せる求人があるか、IT業界に強い転職エージェントに相談してみてください。

